以下に中国 北京電工研究所Yunjia Yu氏の論文の概要を示す。
*計画
・中心磁界 4テスラ
・常温作動部径 100mm
・常温作動部断面 50×50mm
・常温作動部長さ 500mm
・90%電流減衰時間 100h
・重量 600kg以下
*製作磁石
コイル:内径 205.2?
外径 284.0?
長さ 830?
線材 Nb48%Ti
超電導磁石:磁束密度 4テスラ(最大5.5)
通電電流 843A
蓄積EG 405kJ
重量 268kg
クライオスタット:LHe蒸発量0.5l/h
大きさ
外径 650mm
長さ 1300mm
高さ 1390mm
材質 SUS304
全体重量(コイル+クライオ):268kg+330kg
最近、中国では超電導電磁推進船に関しての研究に熱心で、同電工研究所ではダイポールコイル型とソレノイド型の両方の超電導磁石を用いた超電導電磁推進装置の研究開発を進めているようである。しかし、高効率の船にするには磁石の高磁界化と軽量化が必要であるといっていることは我々と同じ考えである。
また、超電導電磁推進装置の用途として、砕氷船や潜水艦といっていることから、超電導推進装置は静かで、キャビテーションが少なく、高速推進に適し、静かで自由な制御が可能であることの利点を生かして適用する考えであると思われる。
高磁界用線材のNb3Sn、Nb3Al関係は、日本の発表が多かった。今後のNb3Sn、Nb3Alの見通しを質問したところ、今の所、高磁界磁石の必要性が少ないことが問題で、線材としては実用段階に来ているが高磁界コイルを製作した経験が少なく、線材の性能を引き出す巻線技術の研究が必要であると言っていた。また、10テスラ以上のダイポールコイルを製作するには、安定性の面からNb3SnよりNb3Alを使用したほうが問題が少ないとの意見があった。
その他の主な発表では、
・超電導コイルと常電導コイルの複合ソレノイドコイルでの45テスラの物性実験用コイルの紹介。
・LHC用14テスラのNb3Sn4極コイルの開発および巻線特性の解析
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